会社破産をすると建物はどうなるのか
1 会社の建物は手放し、経営者個人の建物も失う可能性があります
建物を所有している会社が破産すると、その建物は手放すことになります。
破産手続きの中で換価されるためです。
また、建物を所有している経営者が会社の連帯保証人になっている場合、会社の破産に伴って、経営者個人も自己破産をすることがあります。
この場合には、経営者が個人的に所有する建物も換価されます。
以下、会社破産手続きと建物の関係、および経営者の自己破産手続きと建物の関係について説明します。
2 会社破産手続きと建物の関係
会社の破産手続きが開始されると、建物を含む会社の財産や債務は破産管財人の管理下におかれます。
建物については、図面や鍵などを破産管財人に引き渡す必要があります。
その後、破産管財人が建物を任意売却するなどして、金銭に換えます。
建物を含め、会社財産を売却して得られた金銭は、債権者への支払いに充てられます。
なお、建物の換価を免れるため、破産を申立てる前に会社の建物の名義を経営者や親族に変えるということは原則としてするべきではありません。
会社財産を隠す行為は、破産ができなくなることにつながるだけでなく、場合によっては刑事事件にも発展する可能性があります。
3 経営者の自己破産手続きと建物の関係
特に中小規模の会社においては、経営者の方が会社の債務の連帯保証人になっていることがあります。
会社が破産せざるを得ない状況になり、債務の返済ができなくなった場合、連帯保証人である経営者に残債務の支払いが求められます。
連帯保証債務が大きく、返済が困難である場合には、経営者も自己破産をせざるを得なくなります。
自己破産の手続きにおいては、一部の例外を除き、経営者が保有する財産が換価されて債権者への支払いに充てられます。
自宅や収益不動産など、所有している建物も換価の対象となります。
その後は、会社破産の場合と同様に、経営者の財産を換価して得られた金銭が債権者への支払いに充てられます。
返済しきれない分については、免責が許可されることで、返済の義務を免れることができます。